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トップページ > チャレンジ・プロデューサーの先人(静岡編:SOHO@しずおか 小出宗昭氏)
 
このレポートでは、それぞれのテーマを持ち、地域を変革していった仕掛け人たちに、思いや仕掛けてきたことを聞き、 まとめました。
これから、地域でチャレンジをプロデュースされる方の何かのヒントになればと思います!

静岡市の中心部にある「SOHO@しずおか」は、行政が「整備」した、いわゆるインキュベーション施設(創業支援施設)である。現在、個人事業主など小規模で起業した人を中心に、オフィススペースを13ブース提供している。施設面だけに着目すれば、一見、日本各地に存在するインキュベーション施設と大きな違いはないかもしれない。ところが、SOHO@しずおかは、月に1,000人の来場者があり、100人の相談者が訪れるという、他のインキュベーション施設には見られない「磁力」を持っている。数多くの人と人とが出会い、次々と新しいビジネスの種が生み出され、3年間で立ち上げた新規事業は200件以上におよぶ。
飛躍的な成果も生まれている。水鳥工業という地元のサンダル工場が製作した斬新なデザインの「げた」のプロモーションをインキュベーション施設の入居者が担当し、国内の大手デパートのみならず、アメリカのディズニーワールドでも売り出されるまでになった。地域の活力の源泉として、ひとつひとつの相談に魂を込める。その原動力は何なのか。
2004年度第1回ギャザリング(集合研修)当日、会場に集まったモデルCPと特別研究員は、少しでも自らの活動に取り込める戦略や、インキュベーターとしての心のあり方を、小出氏から貪欲に取得しようと、各人真剣な面持ちで耳を傾け、講演は始まった。


プロフィール
小出 宗昭 【こいで むねあき】

SOHO@しずおか インキュベーションマネージャー
静岡県中部地区SOHO推進協議会事務局長 
1959年生まれ。法政大学経営学部卒業後、静岡銀行に入行。国際部、情報営業部(M&A担当)経営企画部(グループ会社設立プロジェクト)勤務を経て、2001年に静銀経営コンサルティング株式会社ならびに静岡県中部地区SOHO推進協議会に出向、「SOHO@しずおか」インキュベーションマネージャーに就任。就任以来3年間で200件以上の新規事業の立ち上げに関わる。起業家の創出と地域活性化に向けた支援活動が高い評価を受け、2005年2月に「Japan Venture Award 2004」(創業・ベンチャー国民フォーラム主催)起業支援家部門にて経済産業大臣表彰。現在、静岡市産学交流センター「B-nest」の支援スタッフリーダーも兼任。

しずおかSOHOクラブ
http://www.soho-shizuoka.gr.jp/


SOHOしずおかの、書籍も好評発売中
『あなたの起業成功させます
 〜創業支援施設SOHOしずおかの起業マネージャー奮闘記』

文=吉田 早有理(チャレコミ編集部)


      地方都市におけるインキュベーターの
ロールモデル

 いろいろご説明する前に、ひとつ皆さんに聞いてみましょう。

 創業支援施設、インキュベーション施設、というと、どういうものをイメージされますか?

 どうやら、通常は、行政が委託し、施設に入っている入居者たちを育成支援するイメージがあるようです。しかし、私は、年間予算1,500万円の施設がSOHO@しずおかに入居している人のためだけに使われるのはどうなのか、と思っています。単に入居している13人だけがその恩恵を受けても、地域に対する波及効果はきわめて限定的です。入居者以外の地域の幅広い層にとっても役に立ち、アクセスしたくなるような施設になることこそが、これからのインキュベーターには求められていると考えました。
 幸いにして、SOHO@しずおかの場合、たまたま行政が、あのスペースの運営を全て私たちに任せてくれ、細かいことにはほとんど口を出さなかったんです。唯一言っていたのが「人の集まるスペースにしてほしい」ということだけ。マニュアルもなければロールモデルもない。そうなったら、後は自分たちで考えるしかないじゃないないですか。それで、地域特性にあった形で運営していこうと決めました。

 SOHO@しずおかがどういう目標設定をしてきたかというと、最初はラフな施設だったんです。転換点は、最初の年の10月にありました。SOHO@しずおかは平成13年の2月からスタートしたのですが、他の施設がどういうふうにやっているのか見る余裕もなく10ヶ月くらいが経っていました。たまたまそんな時に、当時先進的ということで非常に評判を呼んでいた、あるインキュベーション施設の3周年記念イベントにパネラーとして呼ばれました。

 パネルディスカッションが始まり、施設代表者、入居者、ならびに職員がいる中で、各施設の運営状況を一人ずつ発表していったんですが、そこで、一つ驚いたことがありました。私たちSOHO@しずおかでは、入居したときから当たり前のように入居者間、地域間でのコラボレーションを意図的に仕掛けていたので、そのことについてお話しました。ところが、そのインキュベーション施設は設立して3年たっていたのにも関わらず、知る限りにおいては1件も、入居者間のコラボレーションが起こっていなかったんです。更には、入居者の顔すら分からない、という状況でした。

 その時、「自分たちのやってきた、入居者間、入居者と地域間という人をつなぐ動きを重視する、というやり方は、地方都市におけるインキュベーターのロールモデルになれるのではないか」と思いました。

湯布院 仲谷健太郎氏
SOHO@しずおか
小出宗昭氏
3
株式会社いろどり
横石知二氏
福岡県飯塚市
地域づくりの仕掛け人たち
笠間工芸の丘
久保忠雄氏
「地方都市におけるインキュベーターのロールモデルになりたい」と話す小出氏。
 

 
入居者がプロモーションを手がけた、水鳥工業(地元のサンダル製造業者)の「げた」。アメリカのディズニーワールドでも売り出され、好評を得ている。(SOHO@しずおか「入居者日記」05.2.28より)
 
 
 
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