地域に若者のチャレンジの場を作り出す、チャレンジプロデューサーを発掘・育成・支援
チャレンジプロデューサー/ChallengeProducer.net ChallengeProducer.net
特定非営利活動法人ETIC.
メールニュース このプロジェクトについて 運営団体
TOP チャレンジプロデューサーについて 全国のチャレンジプロデューサー 「地域X若者」最前線 イベント&セミナー
トップページ > チャレンジ・プロデューサーの先人(徳島県上勝町編:株式会社いろどり 横石知二氏)
 
このレポートでは、それぞれのテーマを持ち、地域を変革していった仕掛け人たちに、思いや仕掛けてきたことを聞き、 まとめました。
これから、地域でチャレンジをプロデュースされる方の何かのヒントになればと思います!
 

徳島県の山間にある上勝町。人口2,000人あまり、高齢化率は45%を超すこの町には連日のように、国内各地さらには海外からも視察の依頼が寄せられる。メディアでとりあげられれば、「上勝町で住むにはどうしたらいいですか?」という電話がひっきりなしにかかり、実際にIターンとして移り住んだ人は100名を超えている。このように現代の日本人をひきつけてやまないものが、上勝町に暮らす高齢者の笑顔である。彼らは地域にある葉っぱを採り、料亭で使われる「つまもの」として都市部に出荷している。「寝たきりになる暇がないくらいいそがしいよ。」と言い残し畑に出かけるおじいさん、正座でパソコンに向かい、出荷情報を見るためパソコンを自在に操るおばあさんをこれまでに見たことがあるだろうか。こんなパワフルな高齢者が上勝町にはあふれている。
 この葉っぱを使った「つまもの」事業を考案し、現在、株式会社いろどりの取締役となっているのが、横石氏である。上勝町と言えば、その経済的影響の大きさ、高齢者の笑顔など、事業がもたらした影響にフォーカスされることが多いが、本日は、横石氏がいろどり事業をどのように展開してきたのかを中心に話を伺った。田舎であることに価値を見つけ出し、それを世間に商品として売り出していくこと、そして、その価値をまずは、地域内で認められるための工夫。これは、「常に町民の目線に立ち考えてきたこと」、そして、それを実現させるための綿密な「仕組みづくり」によってなされており、次世代の地域づくりにおいて、とても重要になってくるだろう。

文=吉田 早有理(チャレコミ編集部)


プロフィール
横石知二氏【よこいし ともじ】

株式会社いろどり 専務取締役 副社長。
昭和33年生まれ。徳島県農業大学校卒業後、上勝町農業共同組合へ営農指導員として入社。様々な作付けの工夫をし、昭和56年以降16年連続して農産物の売り上げを伸ばす。平成3年特産品開発室長に就任し、山の資源を生かした商品開発を始め、平成8年株式会社いろどりの責任者として特産品の「つまもの」をはじめ、みかんやすだち、しいたけ、お茶などの企画販売を行う。同年、高齢者が使える情報ネットワークシステムを開発。平成14年4月役場を退職後、株式会社いろどりの取締役として現在にいたる。現在、地域づくりの基本戦略や産業福祉論を提唱し住民を主人公とした活動を積極的に展開している。平成14年、アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー日本大会特別賞受賞、平成15年、日本ソフト化大賞受賞。


      誰もが主役になれる町、上勝町

 「笑顔」というのは目を見ればわかる。目が違うんです。本当に自分が楽しい生活をしていると、目がいい目をしています。気持ちというのが、出てるのでしょうね。若い職員を写真で写すと、チーズと言って、笑うのですが、お年寄りたちとは違うんですね。
 「人は誰でも主役になれる」私は一番この言葉が好きです。今、地域がどんどんだめになってきています。そのような中で、なぜ、上勝町が注目されるようになったかというと、他に事例がないからです。またか、またか、と思うほどにテレビからラジオから取材されます。それと、上勝は何度放送しても反響がすごいんです、という言葉をディレクターさんからいただいています。あるテレビ関係の方は、その反響が、魅力だとおっしゃっていました。最近だと、「とくダネ」の中で20分くらい放送されました。放映後すぐ、電話がなりっぱなしでした。皆さんくらいの年代の方が電話をくださって、「上勝町で働きたい」「上勝町で住むにはどうしたらいいですか」と言って、役場も午前中は仕事にならないくらいでした。やはり、それは、放映された「笑顔」を見て、自分もああいう風に仕事をしてみたい、という風に思ったのではないでしょうかね。

 本日の課題として、地域として再生が難しくなったが、これから、どう解決していけばいいのかという形がまだないので、今日はぜひ、みなさんにいろどりの形を提案させていただきたいと思っています。そして日本全国で元気な地域がもっともっと増えればいいな、と思っています。

 

      「寝たきりになる暇がないほど忙しい」

 上勝町は人口2,200人、町の面積の86%が山で、四国の町がつく町の中で一番人口が少なく、高齢化率は45%を超えています。だいたいこの3つを言うと、廃村コースへ向かってまっしぐら、という条件が揃っていることになります。しかし、上勝町は、少し違います。
上勝町では、地域の資源を生かす会社を5社作りました。全社黒字決算、130名が働いています。ここ数年で112名のIターン者がいます。住宅もどんどん建てられているところです。寝たきりの人が15年度3人、16年度2人です。なんでこんなに少ないかというと、みんな寝ている間がないくらい仕事をしているからです。上勝町は徳島県内で、65歳以上が3位、75歳以上1位、それに医療費をかけたものをだしてみました。すると、なんと、32位だったんです。一人当たり、医療に掛ける金額が20万円も違っていました。2,000人で4億円ですから、稼いでいる額と、使わない額の差はすごいものですね。
 お年寄りがすることがなくて、病院やデイサービスへ行っているこんな世の中になってしまったのが本当に寂しいですね。高齢者の行き場がないんです。病院はいつもいっぱいです。病院に来てなかったら、「あの人病気じゃないの?」って言われるくらいのお年寄りのコミュニティになっているんです。それが今の現実です。

 ゴミの分別も住民たちの手で、35種類に分別しリサイクル率は80%に達しています。ゴミも資源ですから、ゴミを使って商品化も考えていますよ。
 他にも、構造改革特区にも応募しました。町に住む人が国の規制にとらわれずに、本当に幸せな生活ができるためには、とっかかってでも、どうやっても、お願いに行って、町をこんな風にしたい!こんなものがあったら便利なんだ!こうやっていきたいんだ!ということを訴えています。もう、根気合戦ですよ。今、8つ申請しています。例えば、最初に認可していただいた有償ボランティアタクシーの制度は、山の中で、おばあちゃんが一人、バスを降りたとこに車が迎えに来てくれたらいいじゃないですか。それは、乗せてもらうほうも嬉しいし、やっているほうも嬉しいんです。

 

      女性が生き生きできる町を目指す

 上勝町は昔からこうだったかというと、そうではありません。私が農業大学校を卒業し営農指導員として上勝町へ来た当初、一番びっくりしたのが、朝から酒飲みが役場や農協になだれ込んでくることです。そして話すのは悪口ばかり。やれ、役場が悪い、国が悪いという話ばかり。でも、それがどうして起こるのかよく分かってもいました。田舎であまりにも経済基盤が弱いんです。米を作っても、そばを作っても、大豆を作っても、なかなか普通に暮らしていけるだけのお金がもらえないんです。そうすると、人をうらやむ気持ちが出てきてしまうわけです。
 そこで、まともに、今までのようにやったのではだめだ、ということで、みんなを集めて説明会をしました。そうしたら、「お前は何をぬかっしょんや(言ってるんだ)、よそものの、若いお前に何ができるんや。えらそうなことぬかすな(言うな)」「明日からこなくていい、帰れ!」と言われてしまったんです。
 田舎の人は本当にプライドが高いな、と思いつつ、失礼なことを言ってしまったな、とも思いましたが、自分の言っていることは間違いない、と思い、がんとして引き下がりませんでした。その時は、組合長が入ってきて、なんとかとりまとめてもらいました。
 そしてこのときから20年あまりたちますが、ずっと上勝町に関わっています。

 上勝町の女性たちは、「てご」といって、お手伝いをしているだけ。全く生き生きしていなかったんです。私が、女性たちに、今一番何が嬉しいの、と聞いたら「横石さんには分からんよ」と言われたんです。「女は自分で働いた金を自分で使えるのが嬉しいんだよ。子供のため、孫のため。自分の好きなものも買うこと。それが一番嬉しいんだよ。」と言われました。
 そこで、なんとか、この人たちを生かせる事業はないかと考え出しました。女性が元気にならなくては、この町の再生はない、と思ったんです。そして、2年間くらい、この町にあるものを生かせるいい方法はないかと探し、現在のいろどり事業となる葉っぱの商売を、昭和61年の秋に考え出しました。


湯布院 仲谷健太郎氏
SOHO@しずおか
小出宗昭氏
3
株式会社いろどり
横石知二氏
福岡県飯塚市
地域づくりの仕掛け人たち
笠間工芸の丘
久保忠雄氏
「本当に楽しい生活をしている人は目が違うんですよね」と語る横石氏。上勝町では、年齢を問わずの笑顔の花が咲いている。
 
20年前の上勝町は、農村ならではの経済基盤の弱さに苦しんでいた。「生き生き暮らせる町を」と横石氏は新たな農産物作りに取り組んでいく中で、「つまもの」の事業を思いつく。
 
 
 
 
お問い合わせ チャレンジコミュニティー創成プロジェクト/チャレンジプロデューサー/ WEB利用規約
チャレンジコミュニティー創成プロジェクト/チャレンジプロデューサー/ChallengeProducer.net/CP Copyright(C) Challenge Community Project.All Rights Reserved.