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--いま、まちを造っていくと言われましたが、ご自身の旅館を改革するのではなく、まちを造っていくということは、きちんと方針を伝えなければ伝わっていかないと思います。どういう風にしていろんなひとを巻き込んでいったのですか。
【中谷】 難民救済などやっておられる犬飼道子さんは、どんな大きな運動も10人を超えたら瓦解する、と言っています。10人が問題を分かりやすくすることに全力をあげる、その精神があればまたその1人を中心に10人の輪ができれば必然的にその後ろに100人の輪ができる。
僕らの由布院盆地は狭いとは言え7,000人。対する僕らは、始めたのは3人です。3人がかみさんや子どもを連れてやってきた。母ちゃんは母ちゃんで、私らは私らで、それぞれのうしろにはそれなりに広がりがある。私は東京にいた頃、映画をやっていたこともあって、わがままなのかもしれませんが、嫌いな人とは付き合わなかった。でも田舎だとそんなこと言ってたら誰もいない。
東京では、同志というような人と、顔と顔を突き合せる感じで付き合う、他の人とはまったくの他人です。それが、田舎では多面体の付き合いをすることになる。多面カットしているから、全面で付き合うことはない、ひとつの面だけで、付き合えばいい。
たとえば、政治的な話題や思想などで真っ向からぶつかるような人でも、謡曲や絵などで付き合ったりするわけです。謡曲は相手の方が上手く絵は僕の方が上手かった。だから、謡曲では相手が先生だし、絵では僕が先生になる。そうして多面的な人間関係を作っていくわけです。田舎ほど多面的な人間関係を造れるところはないと思います。
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